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田舎で車なし生活を始めて、かれこれ1年。そんな中ほぼ無趣味の俺がたどり着く息抜き方法は必然的にNetflix。というのもあってこの1年は過去一いろんな作品を見た。
ということで、今回はそんな俺が2023年7月から9月に見た映画の中からオススメのNetflix7作品とオススメする理由を紹介する。
この記事を読むことで得られる情報
オススメの作品7つとそれらをオススメする理由が分かる
この記事の目次(クリックでジャンプ)
2023年7~9月に見た作品一覧
ということで、 今年の7月から9月に見た作品は下記。ドラマを含めて全部で18作品。
ちなみにこの時点ではNetflix配信作品以外も含む。
【映画】
- CODA
- Don't breathe 2
- Don't Worry Darling
- Fair Play
- Hacksaw ridge
- Lucy shimmers and the prince of peace
- Nowhere
- Old
- One piece
- Searching 2
- Village
- 永遠のゼロ
- さがす
- 冷たい熱帯魚
- 成れの果て
- 君たちはどう生きるか
【ドラマ】
- Painkiller
- サンクチュアリ
俺の切実な悩み
じゃあ、まず本題に入る前に今回この記事を書こうと思ったきっかけなんだけど、それは俺が見る映画を選ぶ時の奇行が原因。
具体的には毎回作品選びに30分以上かけたあげく結局何も見ずに、本来は息抜きになるはずの時間がストレスと化してしまっているアホみたいな奇行というか奇習に悩んでいた。
これは、前もって見る映画を決めることができない俺の絶望的な計画性の無さと、俺の中でエンタメ作品に求める期待度が上がり過ぎてしまっていることが原因なんだけど、ショート動画で永遠に時間を過ごせてしまうこの時代に、2時間の作品を「これでいっか」くらいの感覚で選ぶとか無理。
これはどげんかせんといかん。ということで考えた結果、見て良かった映画はおすすめとして紹介すれば、同じ様に映画選びで悩んでいる人の参考にもなるはずだし、例え見た作品が俺にとってのゴミ映画だったとしても、そう思った理由を記事にしてしまえばそれは俺の中で消化できる。加えて、今後の作品選びの参考にもなると思った。
他で紹介されている作品は紹介しない
ということでここからは今年の7~9月に見た映画の中から俺が良かったと思う作品7つを紹介するんだけど、他でおすすめされている作品はなるべく避ける。
ショーシャンクの空に、タイタニック、ジブリ作品、名作といえば誰もが思いつく作品はすでに他でおすすめされていて、俺がわざわざ紹介する必要がないし、既に見終わっている人も多いはず。
ということで偶然にも今回紹介する作品は、基本的に2020年以降の作品。
ちなみに7作品のジャンルはバラバラでおすすめしている順番に特に意味はない。この中から面白そうなのを見てもらえればと思う。
MISSING (邦題:search/#サーチ2)
主人公は幼い頃に父親を病気で亡くした高校生の女の子。母親が義父との2人きりの海外旅行中に失踪し、娘が捜索する物語。
一般的に捜索系の作品は「96時間」みたいに探す側が圧倒的なスキルを発動しまくり、最後救出してハッピーエンドになるものが多いんだけど、この映画の主人公は先述した通りごく普通の高校生女の子。
ストーリー展開はどんでん返しの繰り返しに加えて、作品がショート動画並みにテンポ良く編集されていてかなり見やすい。
後、母親を探す手段としてあらゆるGoogleの機能が登場するんだけど、「そんな機能あったんだ」という発見もあったりする。
ちなみに今回オススメする7作品のうち、この作品だけは現時点でNetflix配信されてないんだけど、前作の「Searching(邦題:search/サーチ)」はNetflixで配信されているから、そっちを見るのもあり。
MISSING (邦題:search/#サーチ2)を見る
- Amazonプライム・ビデオ
- Apple TV
- YouTube Movie
Hacksaw Ridge(邦題:ハクソー・リッジ)
第二次世界大戦中、沖縄戦に衛兵士(戦場で負傷した兵士の救助と治療を行う兵士)として第一線に向かう兵士が、衛兵士になるまでの苦境と戦場での活躍を描いた実話。
一般的な戦争映画は戦争の歴史とその残酷さに注目したものが多いんだけど、この作品がそれらと一味違うのが、主人公は幼い頃の家庭内での出来事がきっかけで他人を傷つけないように、銃を触ることすらもしない考えを持つ様になる。
そんな彼は入隊し、訓練中も武器を触らないことが理由で他の兵士からの行き過ぎたいじめ、米軍法律と戦うことになる。
最近はSNSが理由で、隣ですらもない青すぎる芝が見えすぎてしまったが故に、外見を取り繕うことばかりに注意が向きがちだけど、自分の中に信念を持つことの大事さに気付かせてくれる作品。
後、日本は敗戦国というのもあって戦争の歴史を被害者目線で触れることが多いんだけど、事実を事実として捉えるためにも当時の敵国目線の作品を1つは見ておくべき。という意味でもこの作品はおすすめ。
ちなみにタイトルの「ハクソー・リッジ」は「弓ノコのような崖」という意味で沖縄戦の戦地の地形を表した言葉らしい。
さがす
妻を亡くし、生きる希望さえ失った日雇い生活の父親が、たまたま街中で見かけた懸賞金300万円の連続殺人犯を追うために姿を消し、その渦中にある父親を娘が探す物語。
世の中には死にたいけど死ねない人もいるというところに焦点が当たっているのと、連続殺人犯がただのサイコキラーじゃなく設定されているのが斬新。
後、作中父親が妻をどのようにして亡くしたのか描写されているシーンがあるんだけど、大切な人を亡くすのにこれ以上の絶望はないだろうなと思わされる作品。
ちなみに作中の連続殺人事件は実際に起きた事件をモデルにしてるらしい。
「ホントに良い作品というのは涙とか鼻水みたいな人間から液が出る様なものじゃなくて、圧倒されて言葉が出なくなるもののこと」というのは岡田斗司夫さんが言ってたんだけど、この映画はまさにそれ。
成れの果て
東京で暮らす妹の元に、突然姉から結婚報告電話があり、実はその結婚相手が昔、自分に性的暴行を加えた(その町に暮らす人なら誰もが知っている事件)人で、それに激怒した妹が帰省して姉カップルとその周りにいる人達を徐々に破滅させていく作品。
これだけ聞くと、姉の神経いっちゃってんだろて思うんだけど、妹のことを全く可哀想に思わないどころか姉に共感してしまう設定はマジで不思議。
舞台は田舎町で登場人物全員が田舎に住む20~30代なのもあって、都会生まれ都会育ちと、ずっとチヤホヤされて生きてきた女性には刺さりにくい作品かもしれないけど、田舎で一生を過ごす人と、都会で過ごす人は住む世界が全く違うんだなと思わされる作品。
CODA(邦題:コーダ あいのうた)
自分以外の家族全員耳が聞こえない女子高校生が、音楽の授業中に歌唱才能を見出されて音楽の夢を追っていく様子を描いた作品。
作中では耳が聞こえない家族と、音楽の道に進みたい少女の様に分かりやすい設定になっているけど、もしこれが音楽以外の道に進む子供が先生ガチャに失敗し、親がポンコツだったら絶望的な未来しかないんだろうなと思うと、学校教育における先生の存在と、親の理解力はめちゃくちゃ大事だなと思わされる。
もし人間ならばラスト10分は涙腺崩壊する。
PainKiller(邦題:ペイン・キラー/死に至る薬)
1990年代から2010年代にかけてアメリカで起きたオピオイド危機の全貌を被害者と製薬会社の立場から描いた作品。全6話。
まず、そんな危険な薬が十数年前、先進国のアメリカの街の一般的な薬局で痛み止めとして処方されていたこと自体、バイオハザードよりヤバいし、麻薬で人が破滅していく様子が幻覚、幻聴以外の方法で表現されていて、将来子供に「ダメ!絶対!」を唱える時はこれを見せるのが一番良いと思わされた。
ちなみに同様の薬は今でもアメリカ社会に蔓延していて、薬の過剰摂取による死亡者数は年間約8万人もいるらしい。
サンクチュアリ -聖域-
福岡出身ケンカ負け知らずの不良ニキが、借金で破綻した家族を救うために上京して相撲界のトップを目指していく作品。全8話。
常識のカケラもない主人公が現実世界なら即干されるであろうパフォーマンスで、角界の既得権益を引っ掻きまわす様は見ている側を釘付けにするのと。話が進むにつれて徐々に主人公の体つきが変わっていくのが役作りの過酷さを物語ってる。
小中高スポーツでしか居場所を作れなかった俺としては、負けるプレッシャーで精神崩壊寸前のライバルのエリート大関に共感できる点も多く、感情移入ポイント多。
夜中に1話だけ見て寝るつもりが、一気見して、久しぶりに快適な夜ふかしをさせてくれた作品。見終わったら数日間「ちゃし」って言いたくなる。
ということでここまでがおすすめのNetflix作品7つ。
俺には刺さらなかった映画
本来はここで終わろうと思ったんだけど、せっかくだから、俺としてはそんなに刺さらなかった映画5つと、なぜそう思ったのかを記したい。
Nowhere(邦題:ノーウェア: 漂流)
財政危機が原因で難民になった妊娠女性が漂流を生き残る話。
主人公の女性を応援したく気持ちにはなるけど、「いや、それは流石に無理があるでしょ」の繰り返しなのと、漂流→サバイバル→死にかける→クジラの流れが別作の「Life of Pi」と完全に同じでデジャヴかと思った。
冷たい熱帯魚
主人公は熱帯魚を経営する男。アホ女と再婚したことがきっかけで娘がグレたあげく、万引きをはたらき、謝罪先のスーパーでたまたま出会った同業者のジジイが事業拡大の邪魔をする人間を次々に殺人する作品。実際の出来事を元にした作品。
どの登場人物にも共感できないのと、ただグロすぎて気分が悪くなる。
Fair Play(邦題:フェアプレー)
同じ金融会社の同部署で働くカップルが、片方の昇進を機にいろんな掛け違いの末、破滅する様子を描いた作品。
カップル2人があまりにもプライドが高い上に、「お前ら、そんなに優秀ならパートナーの意見に歩み寄ることくらいできんだろ」って突っ込みたくなるシーンが多くて他人にはおすすめし辛い。
ヴィレッジ
闇を抱える村に住む、過去に闇をもった男が社会復帰していく様子を描いた作品。
全て事実なんじゃないかって思うくらい設定がリアルで、おすすめ映画として紹介しようと思ったんだけど、エンタメ作品としてはリアル側に寄せすぎた結果、ぶっ飛び度合いにかけた印象があった。
田舎の閉鎖感を世間の縮図化した作品としては、「ガンニバル」の方がおすすめ。ちなみに俺はガンニバルを見てしばらくの間、普段走ってる近所の神社の階段にいくのがマジで怖かった。
Don't Worry Darling(邦題:ドント・ウォーリー・ダーリン)
なぜか若い夫婦だけが住んでいる裕福と安定が約束された町の真実が徐々に明かされていく物語。
最後の意外なオチがもし現実世界に存在したら、俺的には結構有りかなと思ったんだけど、オチ直前までの話の展開が遅いのと、中盤ずっとメンヘラに振り回されてる感が不快。
自分の意見を持つまでが映画鑑賞
ということで今回はおすすめ作品7つと、俺にはささらなかった作品5つの紹介となぜそう思ったのかについて解説した。
当然だけどこれは俺の意見。中には俺がおすすめした作品をイマイチに思う人もいるかもしれないし、その逆もあるかもしれない。でも、それはそれでいい。
大事なのは自分の意見を持つこと。自分がなぜその作品を良いと思ったのか、逆になぜささらなかったのかを言語化する。そこまでが映画鑑賞。場合によってはその意見を嫌われない範囲で知人に言うのも有り。
もし意見が違っても、そもそも映画の感想に正解なんてないんだから気にしない。俺たちはそうやって成長していくのだから。