俺、もしかしてADHD?
ってのはこれまでに何度か思うことがあったんだけど、例え俺がADHDだったとして何?納税額でも減る?
といった感じで斜に構えてたんだけど、とあることがきっかけで心療内科を受診したらいろんな気付きがあった。
そこで今回は俺が実際に受けた検査とそれを踏まえた俺の考えを共有したい。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
きっかけはとある動画
まず、これまでに俺が自身のADHDを疑いつつも検査に踏み切らなかった理由は冒頭で触れた通り。
たまにネットで流れてくるADHDあるあるとかマジくだらねーって思ってたし、なんなら今も思ってる。
そんな中でいつも通りのネット徘徊中に見つけたのがこの動画。
動画の内容は自身のADHDを疑う番組スタッフが、正式にADHD診断済みのマコなり社長に働き方のアドバイスを受けるといったもの。
サムネを見た瞬間は、いつものあれね。的な感じで何の記憶にも残らない一時を過ごすつもりだったはずが、動画内で出てくるADHDエピソードほぼ全てが絶妙に俺に当てはまって変な不安に襲われた。
具体的には
- 数分前の約束事を忘れる
- 他人からの突然の連絡でその日の予定崩壊
- 絶望的なタスク管理能力の無さ
- 曖昧なものを処理したくなる
は俺そのもので、もしかして俺マジモンのADHDなんじゃね?って思ったところが始まり。
特に前職で無能ながら約30人の部隊の管理業務をやってた時は、絶望的なタスク管理能力の無さに加え、多数のチャットの嵐にパニックになる上、そこに上司が俺の返信が遅いと凸してくるのに精神を擦り減らしてたのは昨日の事の様に覚えてる。
話を戻す。とはいえ、この動画は見方によっては自称ADHDをターゲットにしたマーケティングと捉えることもできるんだけど、それと俺のADHD疑惑は別物。
てことで診断に至ったという流れ。
【結果】ADHDの傾向強
早速、結果から。
今回、3つの検査を受けた結果俺は「ADHDの傾向が強く、ADHD指標は高い」とのことだった。
ちなみにこれが実際の検査結果で、
俺が該当するのが太字部分
スコア | 評価 |
40以下 | 平均より低い(問題なし) |
41〜59 | 平均範囲(特に問題なし) |
60〜64 | やや高い(ADHD傾向あり) |
65〜69 | 高い(ADHDの可能性がある) |
70以上 | 非常に高い(ADHDの疑いが強い) |
最初これを聞いた時「え?」って思った。
けど俺の場合、複数の回答の辻褄が合わないいわゆる「矛盾点」が高く、一概にADHDとは断定できず、厳密には特定の環境下で症状が悪化しやすいグレーゾーンタイプとのことだった。
ということで今回一連の検査を受けた上で俺が感じたことを共有する。
ADHDは発達障害
その前にさっきからADHD、ADHDって横文字を連発しててちょっと頭の弱い人みたいに聞こえるんだけど、そもそもADHDって何なの?って話。
ADHDとは(By ChatGPT)
脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが不足したり神経伝達の調節異常が生じることによって、注意力の散漫や衝動的で落ち着きのない行動が現れる発達障害。
症状としては集中力が続かない不注意型と、突発的な行動が多い多動・衝動型、その混合型がある。
要するに脳に何かしらの原因があって日常生活に問題を抱えてる人ってこと。
ちなみにADHDの原因の大半は遺伝らしく、環境によって悪化したり緩和したりするらしい。
そして、今回検査の結果、俺は「ADHDの傾向が強い」ことが分かった。
ADHDのオモチャ化
そして最近はそのADHDが良くも悪くも注目されてる。
具体的には「ADHD」の単語が一人歩きした結果、無能が共感を求め、失敗した時の免罪符として使われてて、中身のない人間のオモチャ化してる。
これは俺が言ってるわけじゃない。自称ADHDで検索すれば関連動画は多数ヒットするし、先述した動画が同チャンネル内の別動画よりも再生されてることが物語ってる。
とはいえ、誤解の無いように添えておくと重度のADHDが原因で生活に苦悩を抱えてる人がいるのも本当。重度ADHD患者の苦悩話はネット上にもあるからここでは触れない。
この記事の対象
といった感じで強弱いろんなパターンが存在するのがADHDなんだけど、今回この記事の対象になりそうのが下記。
- 自称ADHD
- ↑の身近な存在
- 無自覚ADHDの身近な存在
つまり俺は専門家でもなんでもないから、重度のADHDに関して詳しいことは言えない。
受けた3つの検査
話を本筋に戻す。今回俺が受けたのは3つの検査。
- ASD、ADHDスクリーニング検査
- バウムテスト
- WAIS-IV
ASD、ADHDスクリーニング検査
ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD(注意欠陥、多動性障害)の傾向を測る検査。
約100問の5段階評価質問に答える。
バウムテスト
描いた木の絵から思考と性格パターンを読み解く検査。
WAIS-IV
知能検査。100分間、図形、算数、国語の質問に答える。
加えて毎通院時に合計6回の診察を受けた。合計18,660円。
【詳細】ADHD検査結果
そんな俺の検査結果を要約したのが下記。
- ADHDの指標「高」
- 基本的な知能レベルは平均
- 物忘れや気が散りやすい
- 自己概念低め
- 理想が高く現実とのギャップに悩みやすい
- ストレスを溜め込みやすく、発散が苦手
- 他人に合わせるのが難しく、人間関係で疲れる
- 環境によって気分が左右されやすい
まず、意外だったのは結果の内容。
というのも当初想定してた結果はADHDか否かの2択だったんだけど、それ以外に結構いろんなことが分かってかなり興味深いのが率直な感想。
ちなみに太字部分は以前からそんな気がしてた項目。対人関係で疲弊するのとストレス発散が下手なのは首がちぎれるくらい頷ける。
でも、今回は俺の話をするわけじゃ無いからこれ以上は深掘りしない。
ADHDにグレーゾーンが存在する理由
ここからは何でADHDにグレーゾーンが存在するのかについて。
半分の検査は自己分析系
結論ADHD診断の約半分は自己分析系だから。
具体的に言うと今回受けた3つの検査の内「ADHDスクリーニング検査」では
他の人と話をしている時に、他の人が感じていることを理解するのは難しい
とか
会話を交わしている相手が話し終える前に会話をさえぎってしまったことが、どのくらいの頻度でありますか
といった感じで他にも自分に関する類似の質問約50問を5段階で自己評価をする。
で、思った。
これ参考になるぅ??
というのも多くの人は自分の日常的な言動がズレてるなんて思ってない。
例えば、さっきの
他の人と話をしている時に、他の人が感じていることを理解するのは難しい
を例にすると、理解するのが難しいと自覚しててYESと答える人もいれば、本当は理解できてないのにNOと答える人もいるはず。
加えて、初診時の問診票もカウンセラーとの面談も自己申告制。つまり基本的には自分が自分のことを客観視できてることが前提。
一応全体を通して矛盾点を考慮した結果を言い渡されるけど、自己評価型の検査をどれだけ参考にできるのかはイマイチ不明。
というのもあってADHDは断定されることは少なく、多くの場合その傾向の有無を診断されるのがほとんどらしい。
ちなみに今回俺は受けてないけど、ADHD検査には脳波を測定する検査もあって、それでも分かるのはADHDの傾向の有無だけで、断定されることはほとんどないみたい。
当然、自分を客観視できている上でADHD診断されてる人もいるんだろうけど、それ以上に自分の異常に気づいていない「隠れADHD」の方が多いんじゃないかと感じた。
結局は改善が必要
じゃあ結局はどうするの?って話なんだけど、
まずは自分の行動パターンを理解することが大事。
というのも俺が今回検査を受けて感じたのは、ADHDか否かよりも自分の苦手な事を理解してることの方が100倍大事だと思った。
これはただ俺がそう思ってるだけじゃなくて、主治医も同じことを言ってた。
もちろん究極的には治療薬を使う選択肢もあるけど、先述した通り検査の大半は自己分析系。
つまりある程度の自己理解をしておかないと診断されるべきものも診断されないというか、診断できないって話。
ちなみに今回俺は薬での治療を選ばなかったから、現状は様子見てことになってるんだけど、主治医からは「症状が悪化する(苦手なこと)パターンを認知して対策することが大事」ってのを繰り返し言われた。
ここに関してはかなり抽象的な話になってくるから俺の場合を例にすると、
- 思った事を強い言葉で表現しがち
- 急な予定変更に混乱する
- ストレス解消が下手
- 外出先の買い物中、頭が混乱して同じところをなん度も行き来する
そこで俺なりに考えた対策は
- 思った事を強い言葉で表現しがち → 語彙力向上
- 急な予定変更に混乱する → まず落ち着く。そして優先順位の整理
- ストレス解消が下手 → 運動する
- 外出先の買い物中、頭が混乱して同じところをなん度も行き来する → 買い物は基本オンラインで完結
ざっくりこんな感じ。
他人には理解不能なものもあるだろうし、俺より症状が強めの人からすると大した事なくね?って話かもしれないけど、ここに関しては俺の中で改善していけるかが重要だから他人との比較はあまり意味ないと考えてる。
それよりも今回一通り検査を受けた結果、こういった気付きがあったことが一番デカかった。
己を知るには他人を知る
でも1つ気になったのは不得意を不得意だと認識することの難易度の高さ。
というのも不得意ってのは得意があってこそ成り立つ訳で、なんなら当の本人はそれが普通だと思ってる。だから多くの不得意とか苦手な事ってのはそもそも"できないこと"として認識すらできないんじゃないかって話。
ちなみに俺が先述した項目に気付けたのも前職で多数の同僚や上司と自分を比較した上で認識できたことだし、日常生活に関連する項目については妻から指摘されて気付いたことだったりする。
つまり自分を知るには他人を知ることが大事で、逆に言うと「自分探し」は内に内に思考を向けても本質に辿り着くのはムズイというか無理だろうなと感じた。
といった意味で若い段階から「誰とも関わらずに生きてく」的な一匹狼思考は危険だし、冗談だとしても他人に自称ADHDアピールをするのはかえって自分の株を落とす事になる。
そして自分の得意不得意が分からない段階でこそ他人と関わる方が本質に近い自己理解はできるだろうし、もしそれができないならさっさと検査を受けて、その結果を元に先に進むべき。
という事で重度を除くADHDの本質は自己理解なんじゃないかと気付けた今回の一連の検査は俺の中で有意義な体験だった。と今回の記事を締めくくりたい。
ちなみに、このブログでは「健康ネタ」と「薄毛治療」について取り扱っていて、それぞれはカテゴリページでまとめています。(➡︎健康ネタ)(➡︎薄毛改善)