運動が睡眠の質を向上させることは研究でも証明されていて正式に認められている。子供の頃から習慣的に運動をしている自分が睡眠に対して大きな悩みを抱えたことがないから間違いない。
でも具体的にどんな運動をどれくらいすれば睡眠の向上につながるかって聞かれたら説明できない。
という事で睡眠が計測できるスマートトラッカーを購入して3週間が経過したんだけど、睡眠向上に効率的な運動が分かったから実際に計測したデータをもとに解説する。
この記事を読むことで得られる情報
- 睡眠の質を向上するのに最適なトレーニングが分かる
この記事の目次(クリックでジャンプ)
運動は睡眠の質向上のスイッチ
運動は睡眠の質を向上するんだけど、それは運動による体温上昇が睡眠ホルモンのメラトニンを分泌する手助けになるからなんだ。
メラトニンは朝起きて体温が低い状態から夜にかけて上昇すると同時に周りが暗くなるタイミングで分泌されて自然な眠りを誘発するんだ。
加えて、十分な睡眠時間を確保するには決まった時間に寝る必要があって、入眠は夜間の睡眠全体の質を左右する要素だから、明日を全力で生き抜くためにも今夜いかにスムーズに入眠するかが大事。
でも、連日の夜更かしだったり不規則な食生活が続いてしまうと、本来寝たい時間に十分なメラトニンが分泌されなくなって睡眠の質低下につながってしまう。
そこで夜メラトニンを分泌させるために日中、体温を上げる必要があるんだけど、そこで最も効率がいいのが運動なんだ。
運動で体温を上げる事がメラトニンの分泌につながるし、加えて疲労物質のアデノシンを分泌してくれるから最も自然に入眠することができる。
つまり運動こそが睡眠の質を向上するためのスイッチなんだ。
睡眠の質向上には運動の質が肝心
じゃあ体温を上げるのにどんな運動をすればいいのかというと強度の高いトレーニングをする必要がある。
睡眠の質向上につながる運動強度に関しては米国心臓協会と世界保健機関が公式に発表をしていて具体的には下記。
- 1週間に150分間の中級度の運動、または75分間の強めの運動をすることが睡眠の向上といった健康効果を得られる。(参考)
つまり運動によって睡眠の質を上げるにはウォーキングよりもランニングといった感じで強度が高い運動をする必要がある。
とはいっても自分が普段やっている運動が中級だとか高強度とか分かんない。という事でフィットネストラッカー使って計測をしてみた。
Fitbitは運動強度を自動計測してくれる
そこで自分が使っているのがFitbit Inspire 3。Fitbit Inspire 3は価格が1万円で安い上に業界最高精度の睡眠計測ができるデバイスなんだ。
Fitbit Inspire 3の詳しい解説記事は下記。
【Fitbit Inspire 3 レビュー】1万円で始める睡眠計測
続きを見る
こっちは解説動画。
このFitbit Inspire 3は睡眠の質向上につながる運動強度を「ゾーン時間」という値で計測してくれる。具体的には下記。
- 1分間の脂肪燃焼運動→1ゾーン時間
- 1分間の有酸素運動もしくはピークゾーン→2ゾーン時間
さらに詳しく解説すると、「脂肪燃焼運動」、「有酸素運動」、「ピークゾーン」はユーザー個人の年齢と普段の活動レベルをベースにした心拍数の早さによってカスタマイズされている。
加えて、ゾーン時間は先述した米国心臓協会と世界保健機関が提唱している運動強度を基準に計算されていて、
- 1週間に150分間の中級度の運動、または75分間の強めの運動をすることが睡眠の向上といった健康効果を得られる。(参考)
つまり自分の場合は1週間に「心拍数111~137の運動を150分、もしくは心拍数138以上の運動を75分」やる事で睡眠の質を向上することができるってこと。
トレーニング計測結果
睡眠向上のために必要な運動強度と時間が分かった。じゃあ普段自分がやっている運動で実際にどれくらいのゾーン時間を稼ぐことができるかが知りたい。
という事で3週間かけてあらゆる運動を計測した結果が下記。(運動時間は全種目30分間に統一)
それぞれの種目の計測結果とトレーニングメモは下記。
ウォーキング
メモ
- 自宅周辺を約6km/hの速度で散歩
ランニング
メモ
- 10km/hでランニングマシンを30分間
バイク
メモ
- ジムのバイクマシンで強度11を30分間
ステアクライマー
メモ
※都合上当種目だけ15分間の実施
- ジムでたまにみる無限階段マシン
- 30階分相当
自重トレーニング
メモ
- 自重での腕立て、腹筋、背筋、スクワット
- ワークアウトバンドを使った上腕二頭筋、三頭金、サイドレイズ、シュラッグ、ショルダーフロントレイズ
→各20回を30分間継続(種目間のインターバルは30秒以下)
筋トレ(胸)
メモ
- フラットベンチダンベルプレス:5セット
- フラットベンチダンベルフライ:4セット
- インクラインダンベルフライ:2セット
→約10回がギリギリ上がる重量(セット間のインターバルは2分程度)
サーキットトレーニング
メモ
- ダンベルスラスター:13kg(片方)×15→4セット
- ジャンプスクワット:5kg(片方)×15→4セット
- ダンベルデッドリフト:23kg(片方)×12→4セット
- パーピー:12回→4セット
→種目間のインターバルは1分以下
有酸素運動ならステアクライマー
有酸素運動種目をZone時間が多かった順に並べた結果は下記。
メモ
- ステアクライマー:60越え
- ランニング:56
- バイク:33
- ウォーキング:2
これは意外だった。有酸素運動の強度はランニングが一番ハードになるかと思ってたんだけど意外にもゾーン時間を一番獲得できたのはステアクライマーだった。
ステアクライマーは都合上15分間でZone時間が「28」。30分間継続していた場合、心拍数が上昇したまま追加で15分トレーニングをすることになるからランニングのZone時間「56」を超えることになる。
とはいえランニングもZone時間「56」で30分間走る事で週の目標運動強度の1/3を上回ることができるから睡眠改善にはかなり効果的。バイクはそこそこ。
ウォーキングに関しては想定通りで睡眠改善を目的にした運動としては強度が軽すぎる。もしウォーキングでZone時間を稼ぐならトレッドミルで傾斜をつけて歩くのが必須。
とはいっても筋肥大を目的にしているトレーニーからすると有酸素運動は敵。筋トレ種目別の結果は次。
筋トレなら高重量でインターバル短め
筋トレ種目をZone時間が多かった順に並べた結果は下記。
- サーキットトレーニング:42
- 胸トレ:16
- 自重トレ:13
筋トレは瞬発的な心拍数の上昇があるものの、インターバル中で心拍数が落ちてしまうから強度の高い有酸素運動に比較してゾーン時間が短め。
そこで、ウエイトトレーニングを取り入れたサーキットトレーニング形式でやってみたところ30分間で「42」のZone時間を獲得することができた。同様の強度で週に4回トレーニングをすればWHOが提唱している運動強度を基準を上回ることができる。
つまり筋トレでもインターバルを短くする事で睡眠の質向上をすることは可能。
筋トレで睡眠の質を効率的に上げるコツ
でも、筋肉肥大を最優先にした筋トレでインターバルを縮めるには限界がある。心臓がバクバクの状態でスクワットとかデッドリストをするのは無理。
という事で筋トレ中のセット間インターバルは○分みたいに時間で決めるんじゃなくて、心拍数を基準にするのがおすすめ。
これが30分間胸トレをした時の心拍数変動のグラフなんだけど、トレーニング中の心拍数は黄色部分の「脂肪燃焼運動区間(心拍数:113 ~ 138)」と青緑部分の「ゾーン以下」を頻繁に行き来しているのが分かる。
心拍数が黄色部分の間は1分につき1Zone時間が蓄積されるんだけど、青緑部分はゾーン以下という事でZone時間が蓄積されない。
自分の場合は心拍数が113未満になるとZone時間のカウント対象外になってしまうからセット間のインターバルはFitbitの本体に表示されている心拍数を見つつインターバルを調整するのがベスト。
ちなみにFitbit Inspire 3は運動中でもディスプレイ上に常に心拍数と今の心拍ゾーンを表示させることができる。
筋トレで睡眠の質を向上するには心拍数コントロールが鍵
ということでこの記事では効率良く睡眠の質を向上させるための運動とその方法について解説した。この動画で解説した内容を元に普段の運動習慣に変化を加えてみるのがおすすめ。
動画解説:睡眠の質向上に効果的なトレーニング【運動で睡眠改善】
Fitbit Inspire 3の詳細は下記。
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