筋肥大においてタンパク質の摂取が大事なのは耳タコ。でも十分なタンパク質を食事から摂取するのはムズイ。そこで多くのトレーニーがホエイプロテインを飲み始めるんだけど、ホエイプロテインは過剰摂取だったり間違った飲み方をすると体臭が悪化する原因になるんだ。
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そこで一度はソイプロテインへの乗り換えを検討する人は多いんだけど、ソイプロテインについて検索すると、ソイプロテインは筋肥大には不向き系の情報が数多くヒットする。
ということで今回は筋肥大を目的としたソイプロテインの効果について科学的な根拠を交えつつ解説していく。
この記事を読むことで得られる情報
- 筋肥大を目的としたソイプロテインの効果が分かる
- おすすめのソイプロテインが分かる
この記事の目次(クリックでジャンプ)
ソイプロテインとは?
まずソイプロテインの特徴は下記。
- 大豆を原料にした植物性のプロテイン
- 大豆に含まれている脂質を取り除き、パウダー状に加工されてるため脂質が低い
- 乳糖が含まれていないため「乳糖不耐症」の人でも飲める
じゃあホエイプロテインとの違いをまとめたのが次。
ホエイプロテインとの違い
じゃあホエイプロテインからソイプロテインに乗り換えるとなにが違うのかというと下記。
- 大豆から精製しているため乳糖を含んでいない
- ロイシンが少なめ
→ロイシンの役割:筋肉合成、成長ホルモン促進、血糖値調整、傷や骨の治癒、肝機能の改善 - アミノ酸の利用効率が異なる
- アルギニンが豊富
→アルギニンの役割:腸内環境悪化が引き起こすアンモニアの除去、成長ホルモンの合成促進、疲労回復、血圧の低下、免疫力向上 - 「システイン」と「メチオニン」といった硫黄を含むアミノ酸量が少ない
ソイプロテインがホエイプロテインに優っている点
ここまでの内容で筋肥大においてソイプロテインがホエイプロテインに優っている点としては下記。
- 「乳糖不耐症」の人でも飲める
- 腸内環境を改善してくれる
「乳糖不耐症」の人でも飲める
乳糖不耐症っていうのは牛乳に含まれている糖質「乳糖」を分解するラクテーゼの不足によって乳糖を十分に消化することができずに起こるアレルギー性の下痢なんだけど、ホエイプロテインは牛乳を減量に精製されていて乳糖を含んでいるから乳糖不耐症の反応が出る可能性がある。
でもソイプロテインは大豆減量だから乳糖が原因でお腹を壊す心配も無い。
腸内環境を改善してくれる
まず、ホエイプロテインを飲み始めて体臭がキツくなるメカニズムは下記。
- タンパク質の過剰摂取
- 消化しきれずに残ったタンパク質が腸内に残る
- 腸内で悪玉菌発生
- アンモニアが生成され体臭悪化
特にホエイプロテインには「システイン」「メチオニン」といった硫黄を含むアミノ酸が多く含まれているから体臭が悪化しやすいんだ。詳細は下記。
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でもソイプロテインには「システイン」「メチオニン」がほとんど含まれていないことに合わせて、腸内環境悪化の原因になるアンモニアを除去してくれる役割のあるアルギニンが多く含まれているから腸内環境を改善してくれる。
でもここでソイプロテインに乗り換えるのはちょっと早い。
というのもソイプロテインはホエイプロテインと比較していくつかのデメリットがあるんだ。
ソイプロテインの弱点
筋肥大においてホエイプロテインとソイプロテインを比較した時のソイプロテインの弱点は下記。
メモ
- アミノ酸の利用効率が低い
- ロイシンが少ない
アミノ酸の利用効率が低い
2009年にカナダで行われた研究では筋トレ後にホエイ、カゼイン、ソイプロテインそれぞれを摂取した後の筋肉タンパク質合成を比較した実験の結果が下記。
縦軸がアミノ酸合成率で横軸が吸収にかかる時間。
グラフが△になっている部分がソイプロテインの必須アミノ酸合成率なんだけど、プロテイン摂取から30分〜1時間後の合成率はホエイプロテイン(□)と比較して低いことが分かる。
筋トレをした直後はいかに十分なプロテインを摂取するかが大事だからこの点はイタい。
ロイシンが少ない
これはホエイとソイプロテインに含まれるアミノ酸量を比較した表。
色がついている部分がソイがホエイに比べてアミノ酸量が少ない項目なんだけど、その中でも大幅にアミノ酸量が少ないのが青色部分。
その中にロイシンがあるんだけど、ロイシンは筋肉の合成効果があって、EAAとかBCAAといった別のサプリメントにも優先的に含まれるくらい重要な役割を担っているんだ。
筋肥大は簡単にいうと、筋トレによって損傷した筋肉をアミノ酸を補給することで筋肉合成することの繰り返しだからホエイプロテインに比較してロイシン量が少ないのはちょっと残念。
ソイプロテインの消化スピードは遅くない
現在多くメディア記事ではソイプロテインはホエイプロテインの消化スピードと比較して「遅い」と紹介されてあることがほとんどなんだけど、ソイプロテインの消化スピードは早い。
同研究では「ソイプロテインはカゼインよりもホエイに近い消化形態のため消化は早い部類に分類される」ことが記述されている。
とは言っても、最初の2点を踏まえるとソイプロテインは筋肥大においてホエイプロテインに加えると弱点が多い。
次に気になるのが大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモン的な作用をする云々について気になる人も多いと思うからその点について解説する。
ソイプロテインが男性にもたらす効果
そもそも筋肥大を目的とした男性がソイプロテインを摂取することにおいてザワザワするきっかけになったのがアメリカの健康系雑誌「Men'sHealth」の2009年5月に書かれた記事が元になっていて、アメリカの退役軍人男性が乳糖不耐症もあって10年間に渡って1日3L近い豆乳を飲む生活を続けていたところ、ある日手足の毛が減って、性欲が減少し、最終的に乳房が痛くなるほど膨らむという症状が出るようなって「女性化乳房」と診断された話。
実際はその男性が大豆に含まれるフィトエストロゲン(女性ホルモンの「エストロゲン」と似た構成の物質)に過剰反応する特異体質だったという結果なんだけど、この記事が原因で「ソイプロテイン=男性が女性化する」という話が広まったんだ。
話を戻して男性のソイプロテイン摂取効果についての結論をいうと下記。
- 男性の体内の男性ホルモン、女性ホルモン値に"大きな"影響はない
男性の体内の男性ホルモン、女性ホルモン値に影響はない
2020年にアメリカで行われた研究の結果では「*イソフラボンの摂取によってホルモン値に"大きな"変化は見られない」ことがわかっているんだ。
*イソフラボン:大豆に含まれているフィトエストロゲンから構成される成分
それに加えて、「大豆製品を日本人の一般的な摂取量(*イソフラボン約50mg)を超えて長期間に渡って摂取しても男性ホルモン値に影響を与えない」結果も出ている。
*イソフラボン約50mg:豆乳なら720ml、豆腐は260g。
つまり大豆製品を摂取しても先述した特異体質じゃない限り体が女性化することはない。
結論は書いてある通り。イソフラボンの摂取が男性ホルモンや男性内の女性ホルモンに影響することはない。
ちなみにテストステロン値だけに絞った結論としても一部の被験者にてトータルのテストステロン値が微減したものの、その他多くの被験者では変化はなかったことがわかっているんだ。
結論:ソイプロテインは腸内環境悪化が原因の体臭改善期間中のみなら有
ということで一旦ここでまとめると、結論ソイプロテインは腸内環境悪化が原因の体臭改善期間中のみなら有。
男性が摂取することにおいて問題ない点は先述した通りだから問題ないじゃんて思うかもしれないけど、ホエイプロテインと比較した時に、「アミノ酸の利用効率が悪い」のと「ロイシンが少ない」点においては筋肥大において弱点にしかなり得ない。
ということでホエイプロテインが飲める状況の時は迷わずホエイプロテインを摂取するのがベスト。
でも、一時的なホエイプロテインの過剰摂取によって腸内環境が悪化している時だけソイプロテインを摂取するのがあり。
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ソイプロテインの選び方
じゃあソイプロテインはどれを選んだらいいのって話なんだけど、結論、価格に対するタンパク質含有量という意味でコスパを最優先で選ぶなら「NICHIGAの大豆プロテインアメリカ産」、味という意味で飲みやすさを最優先するなら「MAD PROTEIN」がおすすめ。
それぞれをおすすめする理由を解説した記事は下記。
【ソイプロテイン】選び方とおすすめの1選【13社19商品比較】
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ソイプロテインに含まれるイソフラボン量
大豆に製品に含まれるイソフラボンがホルモン値に影響しない話については先述の内容で全てなんだけど、特異体質が原因で女性化乳房になった退役軍人の話を聞いてしまうと心配になるもの分かる。
繰り返しにはなるけど、イソフラボンの摂取によってホルモン値が変化しないことはメタアナリシスの研究でも確認されているからかなり高い確率で間違いはない。
でも食品安全委員会が公表している「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」(2012年最終更新)ではこんな記載がある。
先述した研究は2020年に行われているから、時期的に研究結果の方が信ぴょう性が高いと考えるのが無難なんだけど、中には気になって夜も眠れない人もいるはずということで最後にソイプロテインに含まれるイソフラボン量についてまとめる。
ソイプロテインに含まれるイソフラボン量は約28mg
実は法律で大豆製品にイソフラボン含有量を記載しないといけないルールがない。それもあってソイプロテインのパッケージにもイソフラボンの含有量が記載されていない場合がほとんど。
ということで直接問い合わせてみた。その結果「1食あたり28mgのイソフラボンを含んでいる」とのことだった。ちなみにこの製品の1食は20gだから他社製品も同じくらいと推定できる。
つまり国が提唱している基準だとしても1日あたり約2.5食分(50g)は摂取しても問題ない。これで今日もぐっすり眠れるはず。
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ソイプロテインで筋肥大は可能
ということで、今回は謎多きソイプロテインについて最新の研究結果を踏まえてソイプロテインについて解説した。フィトエストロゲンに特異体質を持った男性で飲み女性化する作用があるものの、基本的には問題ないというのが結論。
ここまでの内容を踏まえて今回のまとめ。
- ソイプロテインは乳糖不耐症の人でも飲めて、腸内環境を改善してくれる
- 消化スピードに関してはホエイプロテインとほとんど同じ
- ソイプロテイン1食に含まれるイソフラボンは約28mg
- 男性の体内の男性ホルモン、女性ホルモン値に"大きな"影響はない
- アミノ酸の利用効率が低いのとロイシンが低いため筋肥大においては弱点が目立つ
- 腸内環境改善中などの一時的な使用の場合は最適
ということでこの記事が読者のソイプロテインの謎解明につながれば嬉しい。
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